花も実も楽しめる♪!家庭菜園向けアンズの栽培方法です。
アンズの植え付け~収穫まで栽培ポイント
●植え付け
植栽に適した条件は、
・水はけの良い土壌
・寒暖差が少ない環境
・夏の夜間温度が理想的には30℃以下になる場所
等々。
植え穴は深さ50cm以上、直径約1mに掘り、土に堆肥をよく混ぜておきます。
この準備は植え付けの少なくとも20日前までに行います。
苗木を植え付けた後、接ぎ木部分から約50cmの高さで切り戻し、支柱を立てて固定します。
寒冷地以外では、できるだけ初冬に植え付けを行いましょう。
ただし、寒冷地では厳寒期を過ぎてから植え付けを行います。
年内に植え付けた場合は、根元に土を盛って乾燥と凍害を防ぎます。
翌春の3月頃にその盛り土を取り除き、地温を上げるようにしましょう。
あんずの植え付け時期
適期は12月から3月です。
●施肥
果実の収穫後、9月には秋肥(お礼肥)として速効性のある肥料を施し、樹勢の回復と花芽の充実を促します。
アンズはウメと同様に根の活動開始時期が早いため、堆肥を含んだ元肥を年内に施しておくことが重要です。
●剪定
アンズは庭植えでも鉢植えでも楽しむことができ、剪定によって樹形をコントロールできます。
庭に十分なスペースがあれば、自然な樹形である開心自然形に仕立てると、アンズ本来の美しい姿を楽しめます。
スペースが限られている場合は、変則主幹形に仕立てることで、コンパクトに育てられます。
アンズの剪定は、主に休眠期に行います。
美味しい実をたくさん収穫するためには、花束状短果枝を多くつけるように剪定することが重要です。
長果枝や中果枝は、先端から1/4程度を切り戻すことで、翌春に短い枝が数本出て、その翌年に花芽を持つ短果枝となります。
この短果枝は、3~4年もすると衰弱してしまうため、定期的に間引き、新しい1~2年枝に更新する必要があります。
さらに、アンズは日光を好むため、結果枝に十分な日光が当たるように間引き剪定を行い、風通しをよくすることも大切です。
樹冠内部まで日光が行き届き、風通しが良くなることで、病害虫の発生も抑えられ、健やかに育てることができます。
また、徒長枝は早めに剪定することで、樹勢を維持し、より多くの果実を実らせることに繋がります。
●病害
アンズの主な病害には、黒星病と黒粒紋枯病の2種類が知られています。
黒星病は梅雨期に果実に濃緑色の小さな円形斑点が生じ、次第に拡大して褐色化し、黒いすす状の胞子を形成します。
新梢にも黒褐色の斑点が密生し、葉には褐色の斑点が現れ、丸い穴が開くこともあります。
一方、黒粒紋枯病は病斑の出た芽が発芽せずに枯死し、開花期には枯れ枝となります。
これらの被害を受けた枝は全て剪定して焼却することが必要です。
また、これらの病害に効果的な農薬もイオウフロアブル、ベンレート水和剤などいくつか市販されています。
アンズ(杏子)の主な品種と特徴等について
平和
■ 特徴
大正時代に長野県で発見された品種。果実は橙色の円形で、果重は50~70g程度。酸味が強く、主に加工用として栽培される。
■味
酸味が強く、甘みは控えめ。生食よりも加工に向いている。
■ 主な用途
ジャムやシロップ漬けなどの加工食品に利用されることが多い。特に酸味を活かしたお菓子作りに適している。
信州大実
■ 特徴
1980年に登録された品種。果実は80~100gと大きく、円形で果皮・果肉ともに橙色。香りが強く、酸味は比較的少ない。
■ 味
甘みが強く、酸味は少なめで、追熟するとさらに美味しくなる。糖度は高く、ジューシーな果肉が特徴。
■ 主な用途
生食用として人気があり、また加工用としても利用される。特にフルーツタルトやデザートに使われることが多い。
新潟大実
■ 特徴
新潟県原産の品種で、果実は40~60g程度の円形で淡橙色。酸味が強く、香りも良い。
■ 味
梅のような強い酸味があり、生食には向いていないが、その酸味を活かした風味がある。
■ 主な用途
主にジャムやシロップ漬け、干しあんずなどの加工用として利用される。特に酸味を生かした製品作りに適している。
信月
■ 特徴
昭和36年に育成された品種で、新潟大実とチルトンを交配して作られた。果実は80g程度で短だ円形、果皮は橙黄色。
■ 味
甘みは中程度でありながらも、酸味も感じられるバランスの良い風味。果肉は橙色でジューシー。
■ 主な用途
生食用および加工用として利用される。
特に二つ割シロップ漬け用にも適しており、多様な用途がある。
まとめ
植え付け: アンズは水はけの良い土壌と温暖な環境を好み、12月から3月の間に植え付けるのが適期。 植え穴の準備や寒冷地での対策も重要です。
施肥: 収穫後に秋肥を施し、年内に元肥を施すことが推奨されています。
剪定: アンズの樹形を整え、花芽を増やすための剪定が必要です。 日光と風通しを良くすることも健康的な成長に繋がります。
病害管理: 主な病害は黒星病と黒粒紋枯病で、病気の枝は剪定して焼却します。 市販の農薬で予防も可能です。
品種紹介: 平和、信州大実、新潟大実、信月などがあり、それぞれ味や用途が異なり、加工用や生食用に適しています。
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