「スエコザサ」という名前に隠された、一人の男性が亡き妻へ捧げた深い愛情の物語を紐解いていきます。
スエコザサはただの名称ではなく、彼女への思い出と絆を象徴するもの。
彼がどのようにしてこの名前を選び、それがどのような意味を持つのか、感動的な背景をご紹介します。
スエコザサとは?
スエコザサは、宮城県と岩手県南部に自生するイネ科の多年草で、アズマザサの変種です。
その葉の長さは約10センチで、寒冷地でも育つことができるため、寒冷地の垣根にも使われます。
葉の表面には白く長い毛が並び、その葉の半分が裏側へと反ってしわになるという特徴があります。
スエコザサ自身の高さは1メートルから2メートルほどで、自生地となっている地域では家具や建物の壁芯として使われることもあります。
この植物の名前は、日本の植物学の父とも称される牧野富太郎博士が亡き奥様の名前を付けたことで知られています。
スエコザサの花ことば
スエコザサは、その耐寒性と逞しさから「ささやかな幸せ」の花言葉を持つとされています。
この花言葉は、スエコザサが厳しい冬の寒さにも耐え抜く力強さと、その存在がもたらす穏やかな喜びを象徴しています。
この花言葉は、牧野博士と寿衛子さんのささやかながらも深い幸せを表しているとも言えます。
牧野富太郎は日本の植物学者で、1862年5月22日に土佐国(現在の高知県)で生まれ、1957年1月18日に東京で亡くなりました。
彼は「日本の植物学の父」とも称され、日本各地に彼の名前を冠した顕彰施設が存在します。
牧野富太郎は多数の新種を発見し、命名も行った近代植物分類学の権威であり、その研究成果は50万点もの標本や観察記録!
そして『牧野日本植物図鑑』に代表される多数の著作として残っています。
牧野富太郎は旧制小学校を中退したにもかかわらず、理学博士の学位を取得したんですね!
牧野富太郎の誕生日は「植物学の日」に制定されています。
牧野富太郎は94歳で死去する直前まで、日本全国をまわって膨大な数の植物標本を作製しました。
個人的に所蔵していた分だけでも40万枚におよび、命名植物は1,500種類を超えるそうです。
牧野富太郎の逸話としては、幼少期から好奇心旺盛で、時計の構造を知りたくて分解したり、植物採取で叱られたり、金銭感覚の欠如が挙げられています。
また、牧野富太郎はNHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルとしても注目されましたですよね。
毎日(月~金)、朝ドラ観ていました。
スエコザサの主な用途
スエコザサは、主に以下の用途で利用されています。
景観設計
スエコザサは耐寒性が高く、降雪地帯でも葉先が枯れにくいため、寒冷地の庭園での植栽に適しています。
特に、垣根や岩組の植栽として使用されることが多いようです。
生け垣
スエコザサはその特性から、生け垣としても利用されます。
葉がしなやかで美しいため、視覚的な魅力を提供しつつ、プライバシーを保護する役割も果たします。
観賞植物
新芽は春先に出てきますが、大きく育つと観賞価値が劣るため、基部で切り取ることが推奨されています。
これにより、より小型の芽を利用して観賞価値を高めることができます。
まとめ
牧野富太郎が発見・命名した植物
和名はその植物の性質をうまく言い表したり、発見場所などから命名したんですね!
命名は2500種以上(新種1000、新変種1500)とされる。自らの新種発見も600種余りとされる。
発見、命名した植物の例
ムジナモ、センダイヤザクラ、トサトラフタケ、ヨコグラツクバネ、アオテンナンショウ、コオロギラン、スエコザサ和名については、ワルナスビやノボロギクのような、当該植物種の性質を短い言葉で巧く言い表しているものもある一方で、ハキダメギクなど発見場所をつけただけの命名もある。イヌノフグリは牧野富太郎の命名ではない。江戸時代の草木図説にその名が記載されている。
富太郎は晩年に亡き妻の名を冠してスエコザサと名付けたことは、連続テレビ小説「らんまん」などでも紹介され一般によく知られている。一方、ドイツの植物学者シーボルトは、日本に残した妻・お滝を偲んでアジサイにHydorangea macrophylla Sieb. var. otaksaの学名を命名したが、富太郎は〝otaksa〟がシーボルトの妻の呼び名「お滝さん」に因んで名付けられたものであることを知り、神聖な植物学に妻の名を付けるとは公私混同も甚だしいと言って批判した。
引用;Wikipedia
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